― ハイケムの目指す方向性とは?
ハイケムは会社設立25周年を迎えました。
25年のあいだ、日中の架け橋としてさまざま事業を立ち上げ、昨年度の連結売上高は初の1,000億円突破を果たしました。
そして、次の12年後の2034年度において、更に一桁上となる「売上高:1兆円達成」という大きな夢を目指すべく「All for 1 for All」という標語を掲げています。
これは多様なバックグラウンドや専門性を背景にもつ社員が在籍し、さらに社員それぞれがそのバックグランドや専門性を多様な事業に展開しているハイケムという会社が、こころを「1」つにして一丸となり、1兆円企業を目指すという意味を込めています。
― この1兆円達成に向けた「All for 1 for All」を実現するために
必要だと思われることを教えてください。
1兆円に向けて心を一つにしていくためにハイケムの社員が大切にしてほしい3つの考えがあります。
一つ目は「成長志向・挑戦思考」であることです。
言い切ってもいいですが、待っていても何も起こりません。
仕事も人生も自ら切り開いていかなければ、こうだったらいいのになぁと思い続けてただ時間が過ぎ、そして何も起こらずに終わっていきます。
さらに悪いことに、人間は何か新しいことに相対するのは億劫なものです。
ですからまず、なにごとにも勇気をもって挑戦してほしいです。
二つ目は、「変わり続けること、前を向くことを選択し続ける人」であることです。
ポジティブである、前向きであるということは性格ではなく、それは前を向くと決めた人の覚悟と選択だと思っています。
そしてその姿勢を続けるということがとても大切です。
勇気を出して、一瞬自分を奮い立たせて前を向くなら誰にでもできます。
変化を恐れず、前進を続けていく忍耐を持つ必要があります。
そして三つ目は「許す心を持つこと」です。挑戦すれば必ず失敗します。
というよりも失敗しない挑戦というのは本当の挑戦ではないと思います。
ですのでこれまでもこれからも、目標を高くもった挑戦の結果の失敗は、全体で許容していく文化を続けていくことが大切です。
勇気と忍耐と許容をハイケムの基本的な企業文化としてさらに浸透、醸成していきたいです。
― ハイケムの社員が、一番持っているマインドって何だと思いますか?
求める人材像についても教えてください。
社内に共通するマインドセットはずばり「実力主義」だと思います。
ハイケムの言う実力とは実践の力です。
だからハイケムはいつでも「口より手を動かす人」を求めています。
ベストを求めて100%の準備が整うまで、もしくは100%に近い成功確率になるまで待つ人よりも、70%でもできる可能性があるならば、とりあえず手を動かしながら考える人が活躍しているなと思います。
どんなに素晴らしい計画を立てても、実際にやってみなければその計画が正しいのかどうかはわかりません。
もしくは現状の問題点はよく目につくけど、それに対して口で指摘するだけで、自分から率先してその問題を改善していこうせず、他人や部下に任せてしまうような人は絶対に活躍できません。
世の中は行動や実践の中で見えてくるもののほうがはるかに大きいというのが常です。
さらに大きな理由として「手を動かさなければ本当に真剣には考えていない」と考えているからです。
なぜなら行動には責任が伴うからです。
包丁を持ったら野菜を切るし、ドライバーを持ったらねじを止めますよね。
周りに振りかざしたりはしないでしょう。
一見当たり前かもしれませんが、それは行動に責任が伴っているからです。
ハイケムはこれまでの成長の中でもたくさんの間違いも経験してきましたが、そのたびに少しずつ修正して今日の姿になっています。
それは間違いなく挑戦を称賛する雰囲気と、ミスを許容する文化があったからこそです。
これからも成長企業であり続けるためには失敗を恐れずに挑戦できる人、管理に徹するマネージャーや素晴らしい構想を立てるプランナーではなく、自分の手を動かしながら周りの手本になれるリーダーとしてのチカラを発揮してくれる人に来ていただきたいです。
― ハイケムをどういう職場にしていきたいですか?
経営者としてなによりもやるべきことは「やりがいのある仕事」と「良い給料」を示すことだと考えています。
ですから、ハイケムを『アジアで一番やりがいのある仕事があり、いい給料を払える会社にしたい』です。
これに向け、給与面では2022年には基準賃金のベースアップを行い、今年度からは業績連動型の奨励金制
度も実施するなど、会社の成長を支える社員に対して大きく還元できる体制を整備してきました。
でもそれだけでは不十分で、働く一人ひとりがこの組織にいていいんだ、自分が求められているんだと思えるような、心理的安全性の醸成が必要です。
それには、やりがいのある仕事とそのなかで一人一人が果たせる役割があることが大切です。
自分が組織に必要とされる実感と日々の生活が少しずつ良くなっていく実感、この二つを満たす施策が適切に稼働していれば、会社はうまく回るっていくと思っています。
― ハイケムにとって今後重要になってくるスキルセットとは?
ハイケムは創業以来「日中の架け橋」として、日本と中国のギャップを埋めることで成長してきました。
今後は過去30年とは違うギャップが生じてくるでしょう。
日本の1億人が求める生活の質の向上を今度は中国の10億人が求めるようになり、これは日本の化学業界にとって大きなチャンスとなってきます。
化学品は基本的に、生活の質を向上させていくインフラだからです。
生活の質の向上を支える化学の技術がまだまだ日中のギャップとして存在しており、ここにも大きなビジネスチャンスがあります。
また、先日ヨーロッパに出張に行ってきたのですが、一番肌で感じたのが環境問題に対する意識の高さです。
今、彼らはカーボンニュートラルやSDGsの達成に向けて全力で舵を切っています。
ですので、弊社が取り扱っているバイオ技術や電池、水素、生分解性素材などは本当に大きな市場になっていくでしょう。
これらの技術開発をハイケムの仲間たちと一緒に担っていきたいと考えていただける方には是非仲間となり、活躍していただきたいと思います。
― ハイケムでは今年度より「We are the BRIDGE」という標語を掲げました。
日本と中国の架け橋となれるような中国人の人材の採用も強化していきますが、中国に興味のある日本人の方にも入っていただきたい。
また、今年はヨーロッパに支店を開設するなど、ハイケムはよりグローバルに舵を切っています。
より高い視座で地域、国、文化などを見ることができるような人に仲間になってもらいたいです。