長年培った人脈と経験を活かす
─65歳からの新たな挑戦
貿易本部 食品・健康素材課
グループマネージャー Fさん
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CAREER
- 1977
- 明治学院大学の文学部英文科卒業後に渡米
- 1977
- コミュニティカレッジにて英語を学んだ後、サンフランシスコのゴールデンゲード大学にてMBAを取得
- 1983
- 帰国し米国の香料会社に就職。その後、ヨーロッパの香料会社に転職
- 2011
- 57歳の時に、初めて日本企業(香料会社)に転職
- 2014
- 60歳、定年退職
- 2014
- 商社で役員として勤めた後、アルバイトとして介護施設で勤務
- 2019
- 65歳の時にハイケム入社
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仕事内容
今の仕事内容は?
65歳でシニア待遇にて入社し、今は食品・健康素材課の部門管理者として6名のチームでメンバーを取りまとめています。当部門では、安心・安全な食品添加物や食品を中国から輸入し、中国メーカーに対する生産管理体制を徹底的にモニタリングすることで、高品質を求める日本の食品・飲料メーカーで多数ご採用いただいております。
これまでのご経歴を簡単に教えてください。
大学卒業後、英語でビジネスを学びたいという思いから単身渡米し、サンフランシスコの大学院でMBAを取得、帰国後はニューヨークに本社を置く外資系の香料会社に入社しました。ウォールストリートにも上場している会社だったので、数字に対して非常に厳しく、当時は大変鍛えられたことを覚えています。その後も外資系企業でキャリアを積み重ね、57歳のときに初めて、日本企業へ転職しました。外資系で育った私にとって、慣れるのに少し時間を要しましたが、大手の食品・飲料メーカーと多くの取り引きがある香料メーカーで、国内フレーバー事業部の本部長として、貴重な経験をさせていただきました。
ハイケムに入社した経緯は?
香料メーカーを退職後、小さな商社の役員として勤務し、任期終了後はしばらく高齢者施設でアルバイトをしていました。そこで長く働きたいとも考えましたが、登録していたエージェントから「ハイケムが食品添加物で経験のある人材を探している」と紹介されたのが入社のきっかけです。
当時は、食品添加物課の売上が伸び悩んでおり、面接時に本部長から「なんとかしてほしい」といわれたことを覚えています。「5年で売上を倍にする!」ということを自分自身の目標に定め、入社を決意しました。65歳からの新たな挑戦でした。
入社後はどのように取り組まれましたか?
入社後、部署名を「食品・健康素材課」へと改め、新体制でスタートしました。チームメンバーには「新規ビジネスを獲得すること」の重要性を徹底的に意識づけました。食品業界は新規ビジネスを継続的に獲得しなければ成長が見込めません。飲料メーカーの方からうかがった話ですが、ソフトドリンクの場合、毎年1,300~1,400品がリニューアルを含む新製品を上市しているそうです。リニューアルにより取り扱いが終了する製品もありますが、当時のハイケムはまだ売上規模が小さかったため、むしろ大きなチャンスがあると思いました。
具体的な取り組みとしては、外資系企業で実施していた、「プロジェクト・ステータス・レポート(案件進捗状況)」をチームに導入しました。このレポートでは、新規案件を個別に管理し、視覚的に分かりやすく進捗を把握できるようになっています。このレポートを活用し、毎月のミーティングで報告を行うようにしました。20年度の新規ビジネスの売上は、総売上の8%でしたが、24年度は16%となりました。当初私が目標としていた15%を上回る結果となりました。チームメンバーの努力で、売上は入社当時と比べ2倍超と成長しています。 -
経験・スキル活用
長年の経験が活かせているなと感じる瞬間は?
食品関連の場合、これまで培ってきた人脈や経験が活きてくる業界です。私自身、新規開拓の際には、数十年来の知人や引退された方に頼んで若手を紹介してもらうなど、長年培った人脈を活用しています。
第2のキャリアとしてハイケムで活躍できていると実感したエピソードはありますか?
やはり、新しい仕事が決まったり、事業が軌道に乗ったりしたときは、いくつになっても大きな喜びを感じます。現在、部門の新たな取り組みとして、日本でヒットしている製品を中国へ輸出するプロジェクトを推進しています。中国への輸出にあたっては、多くの書類を準備し、規制をクリアするために相当な時間を要していますが、今年8月にはテスト輸出を行い、第4四半期には本格的な輸出を開始できる見込みです。
「食」に関わる仕事は生活に密着しています。自分が携わった商品が店頭に並び、実際に目にして手に取れるという喜びは、この仕事ならではの大きなやりがいだと感じています。
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やりがい・次世代継承
次世代への継承について、心がけていることは?
ハイケムで働く上で必要となるスキルは、「自分で考えて行動できること」だと思います。上からの指示を待つだけの人は、当社には向いていません。私も部門長を拝命した際、上司から「好きなようにやってください」といわれましたが、私はそのような自由な環境が好きで、やる気がわいてきました。
ですから、チームメンバーの若手にも自分で考えることを意識づけるよう心がけています。何か質問を受けた際には、すぐに自分の考えを伝えるのではなく、「あなたはどう思いますか?」と問いかけるようにし、まずは自分の意見を出してもらうようにしています。
前職でも、ある程度経験のある人たちには、「どうしましょう」という質問はやめてくださいと伝えていました。「こういう問題がありますが、こうしていいですか」という提案型の質問だったら受け付けると伝えたところ、意識が大きく変わったことを覚えています。
シニア人材にとって大切な役割は、全部自分でやってしまうのではなく、自ら考えて動ける人材を「育てる」ことにあると感じています。